ピラティスのための食事の時間

ピラティス

1時間のレッスンを集中して受けるためには、食事のタイミングも重要になってきます。腹圧の掛かる運動ですので、効率よく摂取できるタイミングと食事例をご紹介します。

なぜ食事の時間が大切になるのか

呼吸と内臓の仕組み

ピラティスをやってみると、インストラクターの指示に呼吸を促されることが多々あります。ピラティスの呼吸法は「胸式ラテラル呼吸」と呼ばれ、身体の中心から水平遠心位に広がりを持ち、呼吸筋によってしっかりと胸骨の動く強度で行います。これには肺と横隔膜が大きく担うのですが、吸気と呼気で横隔膜の最大上下運動幅は7~10㎝ほど出てきます。胃と肝臓は肺の膨張時や横隔膜の収縮時に刺激を受けます。食後すぐの運動は消化に徹する内臓にとって負担になります。

ピラティスの姿勢

またピラティスのレッスン中には事細かにアライメントも指導されます。食後すぐに骨盤の動きをニュートラルに保った座位や側臥位、腹臥位でエクササイズを継続することはむずかしいです。また腹筋運動中でも脊柱のレングスニングを感じて行いますが、内臓が膨張しているときには周囲の筋肉が緩慢になります。アライメントやキューイングを無視してしまうとピラティスのエクササイズ主旨から離れてしまいます。

このようにレッスン前にはコンディションを整えることが大切になります。食事のタイミングと摂取量と内容に気を配れれば、毎回軽やかに運動することができます。

レッスン前の食事

基本的にレッスンを受講する60~90分前には食事を済ませます。

そして満腹感を覚える前の腹五分~六分くらいにしておきます。

直前の食事は穀物よりも小麦粉を使ったものの方が消化が速く運動しやすいです。

朝の食事

午前中にレッスンを受講する場合、11時からだったら遅くとも10時には食事を終わらせます。

朝食は一日の中で一番多く摂りたいので、腹八分ほどを目安に食事をするのであれば、最も効率的な朝食時間は8時前に摂り終わることです。4時間経つと胃の中のものは消化されるので空腹感が出てきます。その感覚が出て来る前にしっかりエクササイズするのが狙いです。

昼の食事

午後にレッスンがある場合、13時スタートか15時スタートかで摂り方が変わってきます。

13時の場合はお昼をレッスン後に摂るか、12時までに軽食を済ませます。

15時の場合は通常通り12時辺りに摂って問題ありません。

昼食も朝食に次いでしっかりと摂取したい時間帯の食事なので、腹五分の感覚で2回食事をしてもよいでしょう。

夜の食事

いちばん時間帯のむずかしいときですので、腹八分を避けて摂るようにします。

19時スタートの場合、18時前の軽食はお勤めされている方にとってあまり現実的な話ではありません。相当な空腹の場合は、レッスンまで30分過ぎた時でもナッツ類やバナナの補給が功を奏します。市販のゼリー飲料でも同様です。レッスン後に夕食となりますが、就寝時刻の最低でも2時間前までには食事し終わるようにしましょう。

21時スタートの場合、20時までに摂り終わるのが理想ですが、むずかしい方は22時以降の食事になってしまいます。しかしながら内臓への負担が大きいのでできれば消化の良いスープ類のみに控え、翌朝の食事で補うようにしましょう。

ピラティスは正確で繊細な動作の連続です。集中力を欠かさずに運動し続けるためには、きちんとコンディションを整えてレッスンに参加するように心掛けてみましょう。